罰金刑はかえって懲役刑より苛酷なのだ
金が無い、生活苦に監獄行きたいと犯行したコンビニ強盗たちに罰金刑はどうなのか 窃盗だけではジャンバルジャン法で罰金+執行猶予刑にしかならない
[ソウルミーナ]去る1日午前3時30分頃、京畿道(キョンギド)、議政府市(ウィジョンブシ)、佳陵洞(カヌンドン)のあるコンビニに覆面をした強盗が侵入して事業主の頭をパイプで殴ってひもで縛った後、内部を検索して他のお客さんが来るとタバコいくつかを盗んで逃げた。
そして2日には午前2時30分頃議政府市(ウィジョンブシ)、議政府洞(ウィジョンブドン)のあるコンビニにまた、覆面をした強盗が侵入して棒で従業員の頭を殴った。 これに対し従業員が非常ベルを押すとすぐに強盗は逃げてしまった。 この日の金品被害はなかった。
警察は2つの事件が明け方に時間帯に黒い色覆面を使って犯行を犯したことに着眼、手法が似ていると判断して同一人の仕業であることで見て捜査を行って去る2日A(41)さんを検挙した。
Aさんは警察調査で “生活するのが難しくて刑務所を行こうと犯行を犯した” と述べたと分かった。 Aさんの陳述は自身の犯行がいわゆる‘生計型犯罪’を主張して強盗を犯せばジャンバルジャン法が適用されることを避けるためのものである。
◆'生計型'ではなく、'生存型'犯罪
この10日午前3時45分、ソウル水西(スソ)洞のあるコンビニエンスストア。出入り口にかかった鈴の音が未明の寂寞を破った。 幼い顔の青年が黒い帽子を深くかぶり、コンビニに入った。 地方のある小さな島に住んでいたA(19)君は数日前に縁故もないソウルに上京して、青少年憩いの場を転々とした。 無一文になったA君は同日、文具用カッターの刃を手に入れたままコンビニを探した。 お金を盗むためだった。 刑務所から出所して半月後に起きた出来事だった。
"刃が見えるでしょう? 私も私がどうするか分からないです。"
彼はスマートフォンを見ていたバイト生に準備した刃物を取り出して見せた。 あわてて凍ったバイト生に近づいたA君は "住民登録証をここにおきます" とすすんで自分の住民登録証を渡した。 事実、彼が犯行を計画したのは刑務所に再び行くためだった。 彼はこれに先立って、似たような犯罪で10ヵ月間服役し、先月19日出所したばかりだ。
おばあさん、おじいさんの下で育った彼は高校を早期に辞めて色々な仕事をしながら生計を立てた。 これまで悪いこともたくさんした。 時間が経過してみると、19歳の少年は、窃盗など前科11犯になっていた。
A君にとって外の世界は監獄よりもっと寒いところだった。 出所した後、ゲームで知り合った同じ年頃の友達を会うためにソウルを訪れたが、名も知らない彼に携帯電話と手中の現金をすべて奪われた。 一文なしで数日間の青少年憩いの場を転々としたA君の頭の中に '刑務所に行けばよく心配なくご飯は食べることができる' という考えがよぎった。 それで訪れたのがここだった。
"…" "これだけ持って行きます。"
コンビニ簡易金庫には現金30万ウォンが入っていたがA君は大体手あたりを何枚かポケットに入れようとした。 彼が同日、コンビニで盗んだ金は7万ウォン。お金をすべて持って行かなかったのは、過去の自分がバイトをした記憶が浮かんだからだ。
以降、申告を受け付けたソウル水西(スソ)警察署は二日後にA少年を拘束、A君は彼の望み通り、拘束された。 彼は警察調査で "お金をとてもたくさん持って行くとアルバイト生が自分の金で埋めなければならないようだった" と供述したという。
※強盗被害をバイト生が負担するのは韓国では当たり前のこと
◆"外より刑務所がましだ"…私たちの時代の自画像
A君みたいにお金がなくて、おなかがすいて、生活苦に耐え切れず、刑務所に行くために犯罪を犯していることはここ一日二日の出来事ではない。
先月2日、忠清北道陰城のあるコンビニエンスストアで、凶器を持った20代の男性が強盗行為を行った。 一般的な強盗事件と違っていたのは犯人が帽子やマスクを着用しなかった点。普段コンビニ '常連' だった住民のキム某(25)氏は同日、タバコ一箱と現金10万7000ウォンを奪った後、従業員に"112番に申告せよ"と話した。 生活のめどが立たないから、刑務所に行くためだった。
※キム某氏は兵役を除隊したばかりで無職
その翌日には、釜山市沙下区のあるコンビニでも凶器を盗んだホ某(34)氏が警察に逮捕された。 彼はコンビニの従業員に "刑務所に行きたい。 112番に申告せよ"、"銀行に行って人を脅して金を奪っていく" と述べたことと調査された。
刑務所は誰でも行きたくないところだ。 もしかしたら一度でも行ってきたら、消せない'烙印'が一生のあいだに付き従いれる。 それでも自分で刑務所に入ろうとする人たちをどう受け止めるべきか。 もちろんそれぞれの観点は異なるが、最近、朴槿恵(パク・グンヘ)・チェスンシルゲートと関連した多くの高官たちがなんでも監獄に行かないためにあくせく粘り、巨額の金をかけ、豪華な弁護人団を築いていくこととは鮮明に対比される姿であることに違いない。
◆老人たちの窃盗犯罪の再犯率は61.9%
'いっそのこと刑務所に…'、'お腹がすいて' など、いわゆる'生計型犯罪'は減る気配が見えていない。
14日、あっちの民主党クム・テソプ議員が昨年の国政監査の時、警察庁から提出された資料によると、最近5年間、窃盗犯罪の検挙人員は2011年11万4000人から2015年10万7000人へ小幅ながら減少した。 しかし同期間、1万ウォン以下、10万ウォン以下の小額窃盗はそれぞれ1万563件→1万4810件、3万9566件→5万1551件にむしろ増えた。
特に高齢者の犯罪が目立ったが、2011年6927人だった60代以上の窃盗犯罪者は2015年1万619人へと大幅に増えた。
韓国刑事政策研究院の分析によると、老人たちの窃盗犯罪の再犯率(61.9%)は、他の犯罪に比べて目立って高いが、これは高齢の前科者が出所後、経済的困難が相次ぎ、'刑務所がましだ'、として軽犯罪を犯すケースが多いためと分析された。 これに一部では'生計型'ではなく、'生存型'犯罪と呼ばなければならないという声も出ている。
罪の償いを行うように作った監獄に自らして行く姿は、韓国社会の刑罰体系が正常に作動していないという意味に解釈される。 人たちに外の世界で生きていくことが刑務所にいるよりもっと大きな刑罰として感じられるという意味でもある。'自発的、監獄行き' はそれでもっと悲しいことだ。
しかし、これを単に憐憫の次元でアプローチする問題がないというのが、専門家たちの見方だ。 いくつかの個人の逸脱のためではなく、わが社会の安全網がそれほど壊れているという意味に解釈されるためだ。
◆刑務所が、刑罰意味を失ったら…もっと大きな犯罪の憂慮も
最も大きな問題は刑務所が、刑罰としての意味を持っていない場合、'どうせ'、'何糞'という気分の所為に、極端な犯罪につながることができるという点だ。 ここ数年間、'自暴自棄型'あるいは'聞かないで型の'凶悪犯罪が継続して発生したのもこれと無縁ではないという分析だ。 警察関係者は"犯罪発生は経済状況や福祉制度など、構造的な問題とも密接だ"と"平凡な人もいくらでも極端な犯罪を犯しかねないだけに、最小限の安全網を設けることが急がれる"と話した。
◆"多方面でディテールな接近必要"
一分野のみを取り上げるには複雑な問題だが、昨年、検察で導入した生計型犯罪者などに対し、職業訓練参加を条件に起訴を猶予してくれる'条件付の起訴猶予制度'などは肯定的な流れと評価される。
最近、清州地検は忠清北道地域で昨年4月から1年間、36人が条件付の起訴猶予処分を受け、17人が就職に成功し、残りの19人が就職準備をしていると明らかにした。 検察はこの制度が生計型犯罪者の再犯防止に寄与していると判断し、今年も事業を持続する一方、最高検察庁に成果を報告して全国的に拡散させる方針だという。
保健福祉部も昨冬、全国の自治体、福祉団体とともに緊急生活保障、緊急福祉などで役が急がれる34万3000人に、各種の支援をしたと発表したが、前年同期と比較すれば、10%以上増えた数値だ。
市民団体である人権連帯はこの2015年2月から罰金を払う金がなく、刑務所に行かなければならない境遇に置かれたこれらに対し、信用照会なく無担保・無利子で金を貸すいわゆる'ジャン・バルジャン銀行'を運営しているが、市民たちの反応が熱い。 このように疎外階層に対し様々な分野での積極的な対策作りは犯罪予防に寄与するところが大きいという評価だ。
◆罰金刑はお金が無い韓国人には懲役刑よりもっと苛酷なのだ
高まる物価と景気低迷によって赤ん坊の粉ミルクやおむつを盗んで捕えられたお父さんや生計費がなくて他人の本を盗んで売った考試生、正月連休にお腹がすいてマッコリ1本を盗んで捕まった20代など生計型犯罪も増加している。 これらの犯行は軽微でできて、ほとんどが罰金刑で宣告が出るのに金がなくて犯行を犯した人々に罰金刑はかえって懲役刑より苛酷な場合もあった。
これに対し500万ウォン以下の罰金の刑を宣告する場合、執行猶予宣告が可能になったいわゆる‘ジャンバルジャン法’が今年1月7日から施行された。 もし冒頭のAさんがコンビニで窃盗をして捕えられたらジャンバルジャン法によって執行猶予を受ける可能性が大きいが、その通りになれば監獄に行きたいAさんの計画に支障が生じる。
だが、強盗罪は3年以上の有期懲役に処する犯罪なので生計型犯行というとジャンバルジャン法とは違って Aさんは自身が願い次第、監獄に行く可能性が大きいと言える。
◆生活が大変なら強盗をやれ
生活が大変だとし監獄へ逃避を夢見るAさん。 Aさんに懲役という処罰はかえって彼が願ったところだが、Aさんのように自由をあきらめて基礎的な生計を選択する人が今後また現れないという法がない。
ところでジャンバルジャン法の存在によって監獄を行くためには窃盗では難しくなった。 だが、強盗罪は被害者が必要で、肉体的傷害を負う被害者が発生する可能性があるので絶対に増えてはならない犯罪だ。
これらのこのような選択は社会での経済的窮乏と労働が、強盗で自由をあきらめることより苦しく感じられるためだ。 そして監獄が無料で食べさせて眠らせてくれるという誤った常識を持っているのも一役を買うのでこのような部分も改善をする余地がある。
生きにくくて監獄に行こうと犯行を犯したという話のように苦々しい話がまた、あるだろうか。 そのような計画を組んで他の人を攻撃する前にそのエネルギーで仕事をすればより多くの金を儲けられるはずだ。 気楽な道を探して本当に監獄に行って後悔せずに最善を尽くして暮らせることを願ってみる。
(ソウル/みそっち)
飲酒運転は2回まで無罪の国
刑務所に行きたいのにコンビニ強盗でも相手に怪我を負わせないと執行猶予の罰金刑で済まされちゃう。 執行猶予刑じゃその日の寝るところも無い。その上、金も無いのに罰金刑じゃ絶対払えない。生きた心地がしない そんな韓国。
「刑務所に行きたくて殺りました」 こんなのが増えてくれると良い韓国人ばかりになるんですけどね。
う~ん なんだかなあ