最低賃金の引き上げ効果、その真実は?
統計操作の国策省庁統計庁さえも上回るなんて 大統領府発表の勤労所得は10%増
最低賃金の引き上げで個人所得は増えたのか減ったのか 失業した人をノーカウント
[はたらけミーナ]ムン大統領公約通り今年1月1日から最低賃金が引き上げられ史上最大の上昇率では16.4%もの引き上げとなった。
これに大統領府は、最低賃金引き上げの肯定効果が90%という言及に関連し、大統領府が、今日(3日)個人勤労所得など根拠資料を公開し、最低賃金の引き上げが低所得層勤労者の個人所得増加に肯定的な影響を及ぼしたと主張しました。
しかし、先ごろ統計庁が発表した1四半期の家計所得資料を見ると、所得が下位20%の世帯の所得は1年前より8%減少しました。
統計庁の資料と大統領府が出した統計と比較分析してみましょう。
大統領府の分析では勤労所得が10%前後ずつ増えたとのことです
こんなに大きな差が出る理由、統計基準が違うということにあります。
大統領府は雇用が維持された労働者で勤労所得がある個人のみを集計しました。
つまり、最低賃金上昇の影響で賃金の出費が増えた自営業者や雇用を失った失業者の所得は最初から含ませなかったということです。
実際にこのような階層が含まれた労働者以外の世帯の今年1四半期の所得は10%以上急減しました。
[ソン・テユン/延世(ヨンセ)大学経済学部教授] : "世帯当りの所得で見ると低所得層は急激に所得が減少しています。ただ、雇用を維持した労働者のうち、所得は改善されたということが今回に出た資料だと見ることができます。"
勤労所得で生活していた人が職を失って、労働者のほか家計に組み込まれ、所得が大幅に減った可能性を排除できないという話です。
[イ・グンテ/LG経済研究院首席研究委員]: "韓国は、最低賃金の対象が自営業とか中小企業の割合が高いため、最低賃金の引き上げが短期的に雇用に否定的な影響を及ぼすことは、ある程度避けられないと見られることがあります。"
また、上位所得階層の労働所得の増加まで、最低賃金の引き上げの肯定的効果と見るのは説得力が落ちるという指摘も出ます。
このような中、KDI(韓国開発研究院)は明日、最低賃金の引き上げが雇用部門に及ぼした影響に関する初の報告書を公開します。(多分大統領府寄りの内容だろうな)
(ソウル/みそっち)
まぁ、報告が集まるところが大統領府でしょう。自分で調べることはしないはずです。そこで識字層向けの ”所得上昇景気上向き” と言う内容の報告を読み上げるのか、それとも ”最低賃金引き上げ策失敗” と言う分析を出すのかとなった時に、大統領府の選択は ”所得上昇景気上向き” のほうだったということでしょう。
各省庁や下部機関が責任の範囲において良い内容だけを取捨する機能に忠実ということと、韓国の官庁が言っている内容の信ぴょう性がますます下がっただけということを再確認する機会になるようです。
あさころ 行っちゃう?