ヤクルトおばさんの’愛のキムジャン’今年は中断
政治家ばかりが開始前に祝辞だけで50分にうんざり
[キムチミーナ]毎年11月には黄色いユニフォームに赤い前掛けをしたヤクルトおばさんと市民数千人がソウル市庁前広場で疎外された隣人のためにキムチを漬けた姿を今はもう見ることができなくなった。
韓国ヤクルトがこのような決定を下した背景が企業の純粋な社会奉仕活動が政治集会に変質されているという認識であるとされ、議論が予想される。
4日、ソウル市と業界によると、ヤクルトは代表的な社会貢献活動で2001年から14年間進めてきた'愛のキムチ分かち合い'行事を今年から中断することに決定した。
ヤクルトの愛のキムチ分かち合いイベントはある企業の社会貢献活動を越えて国家代表級の助け合いのブランドに定着した行事だ。 昨年、韓国ヤクルトが投入した費用だけで10億ウォンを上回るほど規模が大きい。
ワールド、ギネスブックにも掲載された世界最大規模のキムチを漬ける行事を、年末ごとにマスコミも重く取り上げた。 今までヤクルトおばさんたちが漬けたキムチは135万株(2087t)に達して、キムチを支援された所だけでも27万5000世帯に上る。 韓国全体世帯数の1.5%に該当する数値だ。
14年間使われた白菜135万株を一列に並べると、仁川(インチョン)空港から済州空港までの距離にあたる405キロに達するほどだ。 多くの企業や団体が、この行事をベンチマーキングし、キムチづくりの作りは冬の社会貢献活動の代表走者として定着することもした。
このように最も成功的な企業の社会貢献活動と位置づけられ、ヤクルトの企業イメージ向上にも大きな役割を果たした愛のキムチ分かち合いイベントをヤクルトが急に中断した理由は何だろうか。
業界では最も大きな理由として純粋な企業の社会貢献活動が意図しないように政治的集会に変質された点を挙げる。 ヤクルトは2004年から11年目、ソウル市と共同でこの行事を進行してきた。
問題は昨年から浮き彫りになった。 行事が毎年成功的に開催されると、ソウル市が欲を出した。 ヤクルト愛のキムチ分かち合いイベントの人気を追い風に昨年には'第1回ソウル、キムジャン文化祭'を開催した。 盤を大きくしたのだ。 キムチの漬け込みを通じてソウルと韓国を広く知らせるという良い趣旨だった。
しかし、この過程で、ヤクルトの立地は縮小された。 ソウル市はキムジャン文化祭行事を単独主催した。 過去の主催機関だったヤクルトは、ソウル・キムジャン文化祭で主管に降格された。 このため、当時、一部では企業の成功的な社会貢献活動にソウル市がスプーンを取りあげて食卓まで奪ってしまったのではないかという批判が出た。
特に、政治家たちが会場を覗き始めた。 祝辞が代表的な例だ。 以前の行事では、ソウル市長だけが歓迎演説を行った。 しかし、昨年にはおよそ6人が舞台の上に上がって祝辞を伝えた。 祝辞の時間だけ50分がかかった。 ソウル広場に先に到着してキムチを準備していたヤクルトおばさんたちはキムチの漬け込みを始める前に2時間近く寒さに震えなければならなかった。
祝辞をした人士らのリストを見ると、政治色がさらに濃くなる。 朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長と同じ新政治民主連合所属のユン・チャンヒョン光州(クァンジュ)広域市長、パクレハク、ソウル市議会議長などキムチと関連のない野党議員まで舞台に大挙登場したのだ。 韓国ヤクルト側は当初、疎外された隣人を助けるために始めた純粋な奉仕活動が展示性行事に変質することに負担を感じていたという。
これによって韓国ヤクルトは、再び初心に帰ることに意見を集めた。
特に他の企業ももうキムチの漬け込みイベントをたくさんしているだけに、韓国ヤクルトはまた新たな下地になることができる他の社会貢献活動に焦点を合わせて差別化を図るという計画だ。 韓国ヤクルトの関係者は"ヤクルトおばさんたちが、これまで進めてきた社会奉仕活動に対し、自負心が高いだけに、これらを活用した新しい社会貢献活動を準備している"、"130万人に達する独居老人たちに実質的に役立つ方策を模索している"と伝えた。
一方、ソウル市は韓国ヤクルトの代わりにキムチを漬ける行事を一緒にする企業を物色中だ。 大規模なキムジャンを漬ける行事のためには多くの人材と資金が必要なだけに、大手企業を中心に意思を打診しているという。
(翻訳:みそっち)
あのソウル広場で毎年やっていた愛のキムジャン分かち合いイベントが今年から無くなっちゃうんですね。
去年のようすをまとめてみたよ
2014年に用意された白菜は12万株、2万5千世帯に配られたんだとか
参加したヤクルトおばさんは2300人あまり、ソウルだけでなく
全国からヤクルトおばさんが集まる一大イベントだった。
この日のために準備された白菜は12万株だが会場の後片付けのために
捨てられたゴミは12t収集車で100台分もあった
冬場になるとスケートリンクとしても使われるソウル広場も
全面にブルーシートを敷き万全の態勢でこの日を迎えたり
およそ韓国中のメディアが全力で注目する中で例年開かれてきた
『愛のキムジャン分かち合い』も今年から見ることができなくなる。
赤いエプロンも手袋もスカーフもこの日使ったらすべて廃棄処分される。見てのように浅漬けの白菜の葉の間に赤いペースト状のキムチの素を擦り込む作業がキムジャンと呼ばれる世界文化遺産である。 衛生観念よりも分かち合いが優先される社会がここにある。
毎年このイベントに参加してきたヤクルトおばさんにも疲れの表情がみえる。
白菜など主要な材料には韓国産の材料が使われているが、過去には塩漬け白菜を中国から輸入して予算を縮小した担当者なども登場している。
10kgずつ小分けされて脆弱階層のお年寄り家庭などに配られる、ところがこの容器がそのまま入る冷蔵庫などを持っていない脆弱階層にしてみると一日100gずつ食べても3ヶ月以上かかるというので変質しないか心配ですらある。
▲毎年この季節になると”ヤクルトおばさん”がソウル広場で”愛の分かち合いキムジャン”を始める、お年寄りの一人暮らし家庭には10キロものキムチが届けられる、写真はおばあさんの家に上がり込み、口にキムチを押し込む様子
※今年は中止になりました。
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