韓国型戦闘機KF-X 試作機部品 ”初加工” イベント
そいじゃあチタン合金の削り出しの大物とかなの? それはご覧あれ
ねねね ライセンス生産ってさ、輸入部品を組み立てることでしょ
[国防ミーナ]韓国航空宇宙産業㈱(KAI)は14日、慶尚南道泗川本社で韓国型戦闘機(KF-X)試作機の前方胴体主要構造物であるバルクヘッド加工に着手するイベントを開催した。
バルクヘッド(隔壁)は、戦闘機が高速飛行時に発生する圧力から航空機の変形を防止するための骨組みの役割をする主な構造物だそうである。
韓国型戦闘機前方胴体バルクヘッド[KAI提供]
現在KF-Xの開発は、全体の設計図面の約15%が進行され、詳細設計検討(Critical Design Review)が仕上げされている 9月以降には80%以上完了すると予想される。
KF-Xは、求められていたステルス性が無くなり、アメリカから技術供与が受けられなかったAESAレーダーも韓国製品(未完成)になるなど開発に困難をきたしている。
KF-Xの開発には、現在、16の国内大学、11の研究所と85社など、約112の機関が参加しており、試作が本格化されると、追加で35の機関が参加する予定らしい。
KF-Xシステムを開発するため、昨年だけで約700人の従業員が採用され、詳細設計が行われている今年も約400人の従業員が追加で採用される計画である。
(ソウル/みそっち)
というわけで、操縦席の床下部分であればサクサク削れるアルミ製でしょうね。
▲当日公開された部品の説明図
▲過去に公開されたKFXの胴体断面予想図
ちなみに、戦闘機のバルクヘッドは1970年代のF-15あたりからチタン材の削り出しが使われるようになりましたが、韓国ではこれを国内調達出来なかったため、韓国空軍のF-15K戦闘機はすべてアメリカ製完成品の輸入&ノックダウン生産となっています。KF-16戦闘機は韓国生産ですが、主要部品はやはりすべて輸入品で、汎用部品のみが国内生産されました。(韓国じゃ国産って言うよ)
ボーイングやエアバスなどの旅客機の部品製造などで実績のある韓国の航空産業ですが、韓国空軍の最新鋭であるT-50練習機は練習機ですから、チタン材が使われているのはごく一部分だけですね。
そして2014年の報道では ”韓国次期戦闘機KFXは開発コストのかかる材質を使わない” と伝えられ、これがステルス素材を意味していると知られてきましたが、どうやら機体の主要構造部の機械加工コストについて手に負えない材料を使わないということだったようです。
F-35戦闘機の前部胴体を後ろから見た様子。多数の隔壁が並び、それぞれの隔壁に補強材(ウェブ)がついている。材質はチタンの削り出し材
2012年4月、先進技術実証機ATD-Xの中胴前部機器室と燃料タンクとを隔てる隔壁(バルクヘッド)に鋲を打つ鋲打ち式。同機は2016年4月22日初飛行した。
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いくらなんでも韓国だってチタンぐらいサクサク削るんじゃないの?と思うでしょ。
2017年の記事に、「チタンの削り出し加工で出てくる削り屑は、最初の素材の90%を超える。その削り屑は再利用されるが、原材料費に比べて㎏単価が安くなり、ニホンの航空産業は疲弊している」ってことなので、疲弊していない韓国国内の航空産業企業では大きなパーツのチタン削り出し加工はやってないってことでいいと思います。(旅客機じゃ使わないよね)
韓国航空宇宙産業㈱(KAI)の研究開発のトップが本気で、”3Dプリンターで部品が作れれば戦闘機開発も云々...” なんてことを言い出す国ですから初飛行が楽しみですね。