韓国の登録商標38号ドリスウイスキー
1956年発売 そういえば横文字表記は TORYS Whisky それってトリスじゃん
名前のパクリにも独自の論理をひろげて、気まずくなるとよく似た名前に変える
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[朝のミーナ]1960年は韓国の恥ずかしい歴史として記憶される。韓国の最初の国産ウイスキーであるドリスウイスキーが商標権侵害で名前を変えることになったのだ。
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釜山(プサン)日報1959年8月7日号3面に5段広告で長文の反駁文がのせられた。広告主は釜山西区土城洞にあった国際醸造場だった。
ある言論が “倭色商標盗用” としながら ‘ドリス ウイスキー’ を批判するとすぐに “虚偽報道に対する民事・刑事上責任を追及すると弁護士まで選任した” として強硬対応を明らかにする広告であった。
これが1960年1月21日まで続いた10回反論広告の開始だった。
朝鮮戦争以後米軍配給品に混ざってウイスキーが入ってきた。その後、ニホン産ウイスキーである‘トリス ウイスキー’の密輸も盛んに行われた。
そこに釜山の国際醸造場が1956年5月、ニホンから輸入したウイスキー香料と色素、酒精を配合して、日本ドリスウイスキーの名前をそのままコピーした模造ウイスキーを売り出したのがきっかけだった。
ニホンの ‘トリス’ はサントリー創業者である‘トリイ(鳥井)’の姓から取ってきたウイスキーだが、釜山の国際醸造場側は英国保守党‘(Tory)’から取ってきた名前だと強弁した。
“洋酒は名称そのままに西洋で流れてきたもので模倣の服を着たとは何の言いがかりか” として真顔になる広告ものせた。
1960年1月15日、釜山国際新報は「ドリスウイスキー」という名前が倭色不法商標盗用という内容の記事を出し、これに国際醸造所は、「ドリスウイスキーは、国内意匠特許商標登録を終えた正当な商標」と釜山日報に反論広告を出す。
それから15日間の商標紛争が継続された後、国際醸造所社長が拘束される事件が起きて、最終的には도리스(ドリス)ウイスキーは看板を下ろし、2月から도라지(トラジ)ウイスキーという新しいブランドで販売された。
※この辺は釜山のローカルニュースだったので残された記録はほとんど無い
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見てのようにハングルが分かっても違いが分からない程度に差し替えた広告
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色素・香料・酒精だけをブレンドした文化人の洋酒
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▲1960年代の韓国のトリスバーのようす、李承晩がハワイに行った頃
韓国版のトリスウイスキー商標の古写真は現在では見かけることが無い、堂々とした商標権主張があっけなく覆されたことや、韓国最初のウイスキーという触れ込みが知れ渡っているだけに、1960年以前のウイスキーの歴史は韓国の黒歴史となっているのだ。
ウイスキー原酒が1滴も含まれない韓国最初の国産ウイスキーの歴史の一コマである。
その後、酒税法はたびたび変わるが、ウイスキー原酒が1%でも含まれていればウイスキーであったり、年産表示をする原酒が1%でも含まれていれば樽ごと年産表示をしても良かった時代を経て、現在の韓国の洋酒市場は低迷している。
(ソウル/みそっち)
原料(色素香料酒精)までニホン産なんだから偽ウイスキーではない、という論理ですね。(実は空き瓶まで輸入しようとしていた。)
このころのウイスキー香料で大儲けした会社っていうのがいまも別の業界で残ってるそうですよ。焼酎に色素と香料を混ぜれば ”財務部長官特賞受賞” の ”最高級洋酒” が ”登録商標” なんですから、何でもアリという時代は怖いですね。