鬱陵島(ウルルンド)大規模地盤沈下に避難はどうなっている?
原因不明の山体崩壊から3カ月 この現象、実は昨年9月から '進行形'
KBS放送の中継塔も〝ぐにゃり〟…あわてて鉄塔装備を撤去
郡では、亀裂部分に土を埋めるなど 精密調査の後、地盤強化ㆍ移住対策作り
[ソウルミーナ]地盤沈下で一部の鬱陵島住民らの避難生活から本格的な梅雨入りシーズンが始まり、住民は畑仕事も行かないまま、不安に震えている。
道路と住宅はもちろん、菜っ葉を栽培する畑も大きくひび割れたため、住民たちは本格的な山菜採取期を迎え、地団太を踏んでいる。
何よりも心配なのは、誰も地中の事情を話してくれず、恐れている。 これが最後なのか、さもなければ今後さらにひどく、土地が裂けたり崩れるか分からないためだ。
ルングンは本格的な雨期が始まる前の来月中旬までに'カキドゥン'村昔のキャンピング場敷地一帯をビニールとテントで覆う計画だ。 ここは地盤沈下が最も激しい所で、集中豪雨に雨水が染みこむば、沈下がさらにひどくなるものが懸念されるところだ。
また、道費4億ウォンをかけてカキドゥン村の谷間2ヵ所に、山崩れの予防に向けて幅10余りm、高さ3~4mの砂防ダムを緊急に設置することにした。
郡によると、カキドゥン村の沈下面積は6万1,000余平方メートル。ひどい所は60センチ以上も陥没し、小学校低学年の平均身長と似たような120センチメートルも消えたところもある。 これまで鬱陵郡がテントを覆った畑と道路総延長が1.5キロを超えた。
これと共に鬱陵郡は雨水が地盤を弱体化するのを防ぐため、沈下が激しいところを中心に直径15センチの大きさの排水口も6ヵ所も設置した。
しかし、この3月15日、住民避難命令が下された後、これまで正確な原因調査が出ず、住民たちの避難生活も継続されている。 25日現在、避難中の人は、村の住民8人とKBS鬱陵中継所の職員8人とも16人。住民らは親戚の家や鬱陵近くなどで生活している。 KBS鬱陵中継所は装備を全て鬱陵邑ドドンリKT建物に移った。 中継所内の建物と職員宿舎はいずれも空っぽの状態であり、高さ75mの放送用送信鉄塔も撤去された。
鬱陵島(ウルルンド)地盤沈下日誌
2016.9.1 聖人岳登山路の駐車場に原因不明の亀裂(長さ15m、幅10センチ)駐車場の隣の斜面にも亀裂発見(幅10センチ)
2016.11.21 KBS放送局本館と別館をつなぐ階段破損、基礎地盤沈下(深さ10センチ)
2017.1.12 KBS放送局本館と別館亀裂拡大ㆍ沈下
2017.3.2 、道東カキドゥン村の斜面で大規模な地盤沈下(面積5万3,000㎡) 住宅など建物の7棟に亀裂、道路の亀裂(長さ500m)
2017.3.6、道東カキドゥン村追加の亀裂発生、斜面も地盤沈下(面積1万1,000平方メートル)
2017.3.11 、道東住宅斜面崩壊の危険、KBS送信鉄塔傾く(現在撤去済み)
▲青い色の線で表示されたところが、慶尚北道(キョンサンプクト)鬱陵郡鬱陵邑道東里カキドゥン村など地盤沈下が発生した地域で、6万1,000㎡以上が地盤沈下したものと調査された。 赤い矢印は地盤移動の方向を示している
▲鬱陵島は火山性の島で、痩せた土地にへばりつくように棄民が暮らしている、地盤は0.5m~1.0m程度も落ち斜面もいつでも崩れる状況に至った。
▲慶尚北道鬱陵郡鬱陵邑ドドンリカキドゥン村の進入路の一部が沈下して以前になかった段差が生まれている。 道路脇の擁壁には '安全事故の発生危険があるため、村の出入りを自制してほしい' という内容の鬱陵邑庁の垂れ幕がかかっている。 鬱陵郡提供。
▲慶尚北道鬱陵郡鬱陵邑ドドンリ一帯の地盤沈下、この地域のカキドゥン村の畑にぱくりと割れたまま下して座った。 読者提供
▲慶尚北道鬱陵郡鬱陵邑ドドンリ一帯の地盤沈下でKBS鬱陵中継所建物内部の壁の随所がひび割れている。 読者提供
▲慶尚北道鬱陵郡鬱陵邑ドドンリ一帯の地盤沈下で、村のある住宅広場に亀裂が入っている。 読者提供
9,100余平方メートルの畑で山菜などを栽培してきたイム某(73)氏はこの15日下された強制避難命令によって鬱陵郡が用意した簡易住宅で過ごし、いつ家に帰ることができるか指折り数えて待っている。
'カキドゥン'村にある家と畑が心配されて、1日に何度も立ち寄ってみるが、簡易上水道まで途絶えており、何もできていない。 周辺の土地が沈下しながら村に入ってくる地下水脈や配水管に被害事故が起きたものと見ている。"引っ越したくても今すぐお金もなく、住んでいた家を買う人がいるか心配"とため息をついた。
※傾いた家を誰かが買うことを希望しているらしい
何より心配なことは土の中で起きたことで、具体的な情況を誰も気持ちよく話してくれないということだ。 住民たちは"割れたり消えた所を土やセメントで埋めると、再度戻って住めるか、でなければずっと消えるか郡でも何も言ってくれていない"、"このままで本当に村を離れなければならないのではないか心配"と話した。
イムさんのように避難生活をする人は住民8人とKBS鬱陵中継所の宿舎で生活してきた職員4人を加え、計12人だ。 彼らは近くの知人の家で過ごしている。 住宅と道路はもとより、放送の中継塔もひどく傾いたほど状況が深刻だからだ。
※2か月間だけの避難費用援助が先月打ち切られたところ
鬱陵邑庁から北西側カキドゥン村は機能が完全にマヒしたわけだ。 土地がはじけ、建物ももつれて玄関のドアさえ開けることのできない所が大半だ。 庭と野菜畑には大人の足が抜けるほど分かれた。
鬱陵郡はさらに状況が悪化すればここを通じて聖人峰(984m)への登山路と駐車場も閉鎖する方針だ。 このコースは鬱陵島ソンインボンの登山路の中で最も高い車両が上がるため、お互いに時間が不足した人たちが好んで利用する区間だ。
KBS鬱陵中継所側も放送中止という最悪の状況を憂慮して道洞港近くにあるKTの建物に主要放送装備を移し始めたという。 また、高さ75mの放送用中継送信鉄塔も大きく傾きながらKBS側は安全問題から撤去した。
鬱陵郡によれば、これまで確認された地盤沈下の面積は6万1,000平方メートル。村内の道路は、所々に高さ10センチ以上の段差が作られ、車両通行が難しいのが現状だ。 臨時に行われた隙間に土を埋めたが、安全を担保しがたい。 郡はまた、石垣などにヒビが入ったところは雨でも下せば、大規模な崩壊事故が起こることを懸念して、20日からビニールをかぶせる作業に乗り出した。
鬱陵郡は地盤調査と精密診断も継続している。 21日には韓国地盤工学会研究員3人が追加されて航空撮影と地下を調べるためのボーリングを実施する計画だ。 ここに森林工学研究所研究員たちも、今週上陸し、調査を行う。
鬱陵郡の関係者は"住民たちが多くの不便を感じていて残念だが、安全が最優先で強制避難措置を継続するしかない"、"地盤工学会と森林工学研究所博士の助けを受けて、綿密に調査して原因を把握して追加沈下するかどうかによって、対策を講じたい"と話した。
(翻訳/みそっち)
というわけで鬱陵島ではたいへんなことになってるのですが、何しろ関連する近所の住人がすべて合わせても十数名だそうですからニュースで大きく取り上げられるわけでもなくコメント欄を見ても反応が無いというのが現実なのですね。