目玉焼きサービスで裁判　1年目の判決

［ソウルミーナ］地方に住む主婦のA(47)さん姉妹は昨年3月1日、子どもたちと一緒にソウル旅行に乗り出した。

彼らは、新学期の準備の買い物をした後、午後4時に遅い食事をして江南のある地下商店街店を訪れた。

食堂の入口にはちょうど`午後2時以降には目玉焼きをサービスで差し上げます`という文句が書かれており、ややひもじかった姉妹はトンカツと、豚肉炒めなどを、子どもたちはラーメンなどを1人当たり一つずつさせて食べ物が出ることを待ったという。

ところが、この`サービス、目玉焼き`が問題の発端となった。

サービスで与えるという目玉焼きが人の数より少なく出てきたためだ。

A氏(47女)は"どうして目玉焼きが足りないか"と聞き、食堂従業員は"ラーメンにはサービスを出さない"と答えた。

サービスを提供することには値が低く、メニューなく、単価が合わないということを理由に説明した。

姉妹は"ラーメンに玉子焼きを提供しないという言葉はドアの前に使われていないのではないか"と問いただしながら子供たちに向けたサービスとしてほしいと言った。

食堂側が拒否し続けたため、"他の料理もおいしくないのでお金を出すことができない"と抵抗して、そして、罵声が飛び交った。

食堂が通報から1時間ぶりに到着した警察はA氏を立件しており、検察はA氏が`1時間間に飲食店に滞在し、大きな声で業務を妨害した`、罰金刑で略式起訴した。

A氏(47女)は、これに不服、事件は、正式の裁判に渡された。

法廷でA氏(47女)は悔しさを訴えた。

食堂のほうとちょっと口論を行った後、警察を待ちながら黙っていただけで、`1時間業務妨害`をしなかったということだ。

法廷証人も双方が静かに、警察が来た後、むしろ戦った、と供述した。

姉妹の言葉のように食堂が`ラーメンは目玉焼きを与えない`ということをあらかじめ知らせなかったのも事実だった。

事件を受け持ったソウル中央地裁刑事21単独のキム･ミンジョン判事は"公訴事実どおりA氏が1時間間に飲食店の業務を妨害したと認めるに足りない"とし、無罪を宣告したと24日明らかにした。

キム判事は、姉妹の声が大きく、他の客と食堂側がうるさくに感じただろうが、これらが1時間滞在した主な理由は業務妨害ではなく、警察を待って事情を解明しようとするものだったと判断した。
 
 また、Aさんが食堂と繰り広げた言い争いが業務妨害罪成立要件である威力(相手の自由意思を制圧する力)の行事では思えないと見た。
 
検察が控訴を放棄、A氏の無罪は確定された。
裁判所、検察、警察官いずれも実に奇妙な事件と訴訟に絡み合ったようだ。

（翻訳：みそっち）

ええとですね、韓国人もお昼ご飯は大抵の場合お昼に食べますよ。

”姉妹はトンカツと、豚肉炒めなどを、子どもたちはラーメンなどを頼んだ”とありますが、トンカツというのは韓国の場合、揚げたてが出てくることはありません。

客のいない間にせっせと揚げておき、切り分けておくというのが韓国スタイルです。

最近ではキャベツが添えられるようになりましたが、韓国では千切りキャベツは袋に入って売っているものなので警戒されやすい食材です。それでもニホン式の揚げたて+キャベツおかわり自由というのが導入されると驚きを持って”昼食浪人”が殺到したりして話題になりますよ。　※コンビニでもキャベツの千切りが売られている

子どもたちが食べたラーメンはもちろんインスタントというのが決まりです。

韓国には生麺がありませんから普通に食堂ではインスタントラーメンが提供されます。

この場合、ラーメン本体の値段は1つ1,000ウォンくらいなので調理費や場所代というのが加算されるのが当然ですが、韓国ではそれが通じません。そのため地下食堂などで提供されるラーメンの値段は3,000ウォン程度となっています。　※黄色いのはダイコンの酢漬け(タクワンではない)

ソウルには過度に飲食店が多いわけですが、そのほとんどは素人料理にアルバイト店員という仕組みになっています。そうなるとメニューの質が気になりますが、そんなときのためにフランチャイズ制度が充実しているのです。食材からメニューや看板までお金を出せば全部整います。もちろん店長が素人で店員がアルバイトですから長続きしません。お金をかけた厨房機器も什器も店長の雲隠れでそのまま残されたりします。これを回収して再販売するという中古品業者はいつも盛業ですよね。そうした店の入れ替わりが激しいので、内装工事屋さんも韓国ではいつも仕事があります。　こうして韓国経済は回っているのです。

そうそう、韓国ではトンカツとんかつのことを”トンカス”と発音しますよ　はい