春川の陸軍部隊でヘリコプターが落ちる
点検ホバリング中に塀を乗り越えてとなりの畑に真っ逆さま バラバラに
[国防ミーナ]今日(15日)午前10時10分ごろ、江原道春川市(カンウォン・チュンチョンシ)シンブク邑栗文里近くの畑に陸軍205航空隊所属のUH-1Hのヘリコプターが墜落しました。
事故ヘリコプターには操縦士など4人が乗っていたが、全員救助されたことで知られています。 これらすべてが大怪我をして、国軍春川病院などに運ばれて治療中です。
▲文字通りバラバラになったところ ヘリコプターの正操縦席は右側になっています。飛行中に無線機などの操作でサイクリックレバー(操縦桿)から手を離すと飛行が不安定になるので手放しの可能なコレクティブピッチレバーを操作する左手側に各種の操作パネルを配置するためにそうなっています。
▲Daumマップで現場のようすを探してみたところ。春川市の北のはずれにある現場から2kmくらい東に行くと渇水で水位が下がっている昭陽湖があります。
ヘリコプターが墜落したところは春川(チュンチョン)航空隊近くの畑で、事故ヘリは完全に壊れたことで知られています。
同日、事故ヘリは1∼4段階にわたって点検飛行中3段階の過程で航空隊の壁面を越えて事故が発生したものと伝えられた。 3段階の点検飛行はエンジン稼働後地上で1mの高さで停止飛行する段階というのが、軍当局の説明だ。 軍当局は"地上1mで飛行点検中だったヘリコプターが突然事故が発生したものとみられる"、"事故ヘリは同日の点検飛行を終え次第に任務遂行に向けた飛行が計画されていた"と明らかにした。
▲塀の向こう側の陸軍基地からは現場見物の兵隊が鈴なりになっている。三角屋根の左隣には丸屋根の格納庫がある。
(翻訳・ヘリ操作協力:2ちゃん番長)
ヘリコプターに乗っていたのは操縦士のホン准尉(50)、副操縦士コ准尉(26)とパク某上等兵、チェ某一等兵ってことなんですが、一等兵や上等兵が何のために乗っていたのかは不明です。(ついでに、なぜか一等兵や上等兵のほうは年齢不詳の某ですね)
准尉っていうと軍曹とかの下士官(韓国では副士官)の最高位みたいな位置づけですよね。50歳の准尉っていうのはわかるんですが、26歳で准尉っていうと、進級試験でも下っ端軍曹が曹長になるだけで7~8年かかるっていうのに不思議でした。
そしたら陸軍ではヘリパイロットだけは准尉という階級で35週間の陸軍航空学校の教育を受けるとそういう階級になるんだそうです。ただし陸軍航空学校では操縦だけではなく整備の方も教えているのでそっちのひとかもしれません。
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ヘリコプターは2本の棒と左右のペダルで操縦します。右手が真ん中から生えている操縦桿(サイクリックレバー)を握って左手はクルマで言うサイドブレーキのレバーのような位置にあるコレクティブピッチレバーを握ります。右手は前進後進などの操縦桿の役目、機体を上下させるのが左手です、ここで重要なのは左手のレバーはエンジン回転を上げ下げするものではないということです。ローターのピッチを変えることで揚力を変化させるんです。エンジン回転を操作して速度を変えるクルマとは違って、エンジンの回転はほとんど一定に上げておくんですよ。
とはいってもエンジンのアクセル操作は左手のレバーのグリップを回転させることで行います。これがまたオートバイのアクセルグリップと回転方向が逆で、親指側に回すと回転が下がるようになっていますよ。
あとペダルなんですが、これは機体をその場で回そうとするテイルローターを加減するもので踏んだ方に機体が向くようになっています。ちょうど回転椅子でパソコンデスクの下側あたりを軽く蹴ったみたいに向きが変わるという感じです。
そうなるとまず、エンジンを回して左グリップで回転を上げて、左レバーをすこし持ち上げると離陸という手順ですが、今回の事故ではヘリコプターを1m程度浮かせるだけの点検中でした、それが塀を越えて飛んでいっちゃったとなると原因は操作ミスで左手レバーをぎゅ~っと引いちゃったとか、そんなところが原因でしょうか。
裏返って見えているのは機体下面、右側がテイルローターらしい気がする
機体後方から見てみたところ遠方の丸屋根は飛行隊敷地内の格納庫or整備庫
なんとなく操縦席が二つ並んで見えているのでこっちが前側
これは後ドア右側のパネル、折れた木も写っている
まあ韓国では”墜落原因究明”なんていうのは後回しで、”現場の復旧”が最優先されることになっています。”事故再発防止”なんていうのも普段からやるべきことをもう一度上から命令するだけという、”外形至上主義”型の社会構造なので、残骸は今日中に片付けられてそれっきりでしょうね。