イギリス製ワイルドキャットは性能不足で契約は白紙化したい?
契約不履行の場合にはウエストランドアグスタ社は巨額の賠償金請求の準備
[サイクリックミーナ]湾岸戦争が生んだスターはCNNだけではない。 また、他の英雄は、アパッチヘリだ。 湾岸戦争以前にその誰にも想像できなかっただろうか。 ヘリがタンクを倒すことができるという事実をギリシア神話の中のアキレウスの黄金の鎧のようだったタンクはアパッチの誘導弾一発に脆くも倒れた。 せいぜい貨物、それも、軽い物資輸送や災害救難、偵察、連絡用に使われていたヘリは湾岸戦争を通じて一躍戦争の中核的な武器に跳躍した。 このヘリを海の上で使ったらどうだろうか。 アパッチ攻撃ヘリコプターが砂漠でそうだったことのように海を飛び回りながら敵軍の潜水艦・艦艇を探知して攻撃することができれば、それほど丈夫に国民の生命を守ることができる方法がまたとあるだろうか。 これがそのまま海上作戦ヘリだ。
北には海の下どこで弾道ミサイル(SLBM)をかじってもらって、東・西・南には米・露・中・一等海洋大国に包囲された大韓民国で海上作戦ヘリは安保の最前線にあると言っても過言ではない。 そのため、政府は2010年に天安(チョンアン)艦沈没事件後ですべて20台の海上作戦ヘリコプターを確保することにした。 この事業に投入することにした予算が1兆4000億ウォンに達する。 しかし、政府がまず8機を導入することにした英アグスタウェストランド(AW)のワイルドキャットが作戦を一度もまともにやってみなかったまま契約が霧散の危機に直面した。
時事ジャーナルは、海上作戦ヘリ事業と関連し、防衛事業庁(防事庁)と英国AW社がやり取りしたメールと両社の法的質疑書を単独入手して分析した。
両社は2013年6月から2015年6月12日までメールを交わした。 メールの相当部分は水中で音波に敵軍の潜水艦・艦艇を探知するディッピングソナー(Dipping Sonar・音響探知機)に関する内容であったが、イギリスAW社が購買契約書に明示した速度の半分にも性能が及ばないため、防衛事業庁が持続的に抗議の表示を配信していた。
この他にも海上作戦ヘリの核心装備であるレーダーと航続時間などが韓国軍作戦運用性能(ROC)を満たしていないとし、防衛事業庁の契約不履行問題を指摘する内容も相当した。
一言でいえば政府が公開入札を通じて'公正に'海上作戦ヘリコプターで選定したという英国のワイルドキャットは総体的な不行き届け状態だったわけだ。
これをめぐって英国AW社と防衛事業庁が熾烈な攻防を繰り広げた事実も確認された。 終わらせて合意に至らなかった英国のAW社は韓国のある大型法律事務所に契約違反で法律的な責任が発生する可能性があるかどうかについて法的諮問を求めた事実も確認された。
性能欠格'ディッピングソナー'、速度遅く、作戦に支障
ワイルドキャットの最も大きな不健全化は、ディッピングソナーにある。 先立って明らかにしたように、海上作戦ヘリは、海の上の'アパッチ'だ。 敵軍の潜水艦・艦艇への監視はもちろん、これを攻撃する対潜・対艦作戦などの海上任務を遂行する。 普通、海上に浮いている作戦艦船は速度が遅く、探索能力が制限される。 そのために幅広く敵軍の艦艇や潜水艇を探索できるように補完するのが海上作戦ヘリに付着されたディッピングソナーである。
ディッピングソナーはソナーを紐に干して海中に漬けて音波で敵潜水艦などを探知する。 音波で、たいていの潜水艦はもちろん、イルカの動きまで区分することができ、'潜水艦ハンター'ヘリの感覚器官と呼ばれる海上作戦ヘリコプターの核心装置である。
正常に機能するディッピングソナーは、水深300mまで下がって敵軍があると予想される位置で潜水艦だけ毛抜きのように探知する。 敵の潜水艦をディッピングソナーを通じて感知したら、ソナーをした後、魚雷を発射し、敵軍の艦艇を撃破する。
しかし、時事ジャーナルが入手した防事庁と英国AW社間のメールを見ると、ディッピングソナーの降下速度が購買契約書に明示された速度の半分にも及ばないことが明らかになった。 英国AW社が購買契約書に明示した速度性能は下降するのに5m/sec、上昇するのに6m/secだ。 しかし、実際の実験結果は2.45m/sec~4.75m/secの水準だった。 こんなにディッピングソナーの速度が落ちる場合、ヘリの主要な性能や航続時間などに大きな影響をもたらす。 また、海上作戦速度は二倍程度遅くなることになる。
ソナーの巻き取りが遅い
防衛事業庁・海上・航空機事業チームの関係者が英国AW社の事業責任者B氏に2015年3月30日送った、'特別の懸案に対するアグスタウェストランド社の公式立場の要請'(Request for AW's official position on"Special Issues")'というタイトルのメールには"海上航空機事業チームは、海上航空機の適期納品に影響を及ぼしかねない二つの特別な懸案があると思う"、そのうちの一つにディッピングソナーを挙げた。 メールには"音波探知機(ディッピングソナー)の巻き取り装置の最大速度未達成"とし、"合理的な合意を得るために私たちは2015年3月24日に会議を実施したものの、ほとんどの懸案に合意を実現しなかったこと。靴の上で提示した説明であるため、韓国政府はAW社の正確な立場について確信がないこと"と出ている。 そして、防衛事業庁は"4月7日までこの事項に対して書面にて公式的な立場を表明してくれるよう要請したこと"とし、"海上航空機事業チームとは別の関連チームが検討できるようにAW社が任務の運用性と技術的側面に及ぼすことになるいかなる影響を含めて細部的かつ客観的な報告書を提出するよう要請したこと。そうした検討結果をもとに、今後の事業の実行の方針を決定すること"と明らかにした。
これに対して約一ヵ月後の2015年4月23日、英国AW社が送った書簡にはディッピングソナーを巻き取る速度について"AW社は3ページに明示された製品仕様書(スペック)に従って作動するか検討していること"と回答した。 政府が2013年1月にワイルドキャットを選定してたのに、今さら製品仕様書に明示されたスペックどおりに作動するかどうかを検討しているという話であるわけだ。
これに対して一週間後の4月30日、防衛事業庁は'韓国AW-159ヘリコプター、レーダーや音響探知システムに対する追加的な質問(Additional Queries Regarding AW-159(ROK)Radar and Sonar System)'というタイトルでAW社の責任者S氏を含めて4人にメールを送った。 防衛事業庁は"AW社の韓国AW-159ヘリコプターの音響探知機を巻き取る装置の速度に対する細部技術資料は不足しており、なぜ、契約的仕様書を充足できないかについては全体的な説明が不足した資料だったこと"とし、
"もし納期遅延又は技術的に立証が不十分な条項に起因した製品仕様書に関するなんらかの懸案事項があるとしたら、そうしたことに対する責任はAW社にある"と指摘した。 これと同時に海軍事業管理事務所(PMO)がディッピングソナーを巻き取る速度、装置、体系、価格、速度推計根拠などについて40個以上の質問をし、それに対する早い答えをAW社側に要請した。
防衛事業庁は、特に、最も大きく争点になるディッピングソナーを巻き取る速度についてAW社をずっと追及した。 ディッピングソナーの上に巻き取る速度が5m/secという計算がどのように導出されており、上に巻き上げる最大速度を2.45m/secに算出した特別な事由があるか、海に計6回ほど漬け時間をどうやって計算したのかなどについて早いうちに答弁してくれることを要請した。
ソナーを巻き取る速度は作戦成功するかどうかを見極める尺度だ。 ディッピングソナーを海に速やかに下して早く上げるほど、より多くの敵潜水艦を探知できる。 軍の事情に詳しいある関係者は"通常1日にディッピングソナーを6回程度海に浸したが、上下に巻き取る速度が5~6m/secなら、通常300mまでつけと試算した場合、ソナーで1回感知する場合、1分所要されなければならない"、"しかし、実際の試験結果が2.45m/secなら2分以上所要されるものだがそれだけ探知回数が減るのではないだろうか。 作戦時間が不足しているので、それだけ戦力の空白が生じること"と説明した。
これに対してAW社は2015年5月7日、返信メールを通じてディッピングソナーの欠点を認めて、答弁をするどころか"追加情報がこれ以上ない時期に到達した"と明らかにした。 AW社は"これまで送った文書がすべての質問に対する答えになるものと信じている"、"このような質問提起がMOHヘリを納品する業務にかなりの支障をきたす。 (中略)我々が提供した内容を基に、あなた(防事庁)の決定がどのように進行するか"を、かえって問うている。 一言でこれ以上話すことがないので、契約をしてもなんでもしろといった具合に、韓国に責任を転嫁しているのだ。
海軍"ワイルドキャット・ソナー、契約条件充足できず、"
これに対して防衛事業庁が2015年5月14日AW社に韓国海軍の公式立場を通報するが、ここにはソナーを巻き取る速度に対する韓国海軍側の深刻な懸念が盛り込まれている。 "ソナーを漬けるサイクル時間遅延に起因する対潜任務の運用効率低下に懸念を表明し、引き上げる速度が契約上では6m/secなのに対して実際に2.45m/secにもっと下がったことに従い、ヘリコプター機動性を減少させる。ソナーをつける前に低い高度の状態の静止飛行の際不安定性に対する懸念を表明し、ソナーを引き上げる速度が減少することによってもたらされる静止飛行時間が増加に対する安全面も懸念されたソナーを引き上げる速度は少なくともリンクス・ヘリの引き上げる速度と同等かそれ以上でなければならず、同装備を採択するために必ず必要なものであること。"つまり韓国軍側はAW社にソナーを閉じる速度と関連してヘリ運用の効率性と安全性について深刻な問題提起をしたのだ。 最後に海軍は"現在のソナーを閉じる速度は契約的条件の要求を満たしていない"とし、契約条件の違反で契約の解約を検討しているという考えを表明した。
ディッピングソナーに対する韓国政府と英国AW社間の攻防は6月8日にも合意ができなくて、韓国政府は"AW社が契約書に明示したとおりソナーを閉じる速度6m/secを満たすための方法を捜し求めるため、優先的に分析をしてみなければならない"は立場を一度伝え、6月15日に事業管理検討会議(PMR)にソナーを閉じる速度について検討するという立場を最後に伝えた。
滞空時間短い、作戦すら出ない
ディッピングソナーだけに問題があるわけではない。 海上作戦ヘリコプターのまた他の必須項目であるレーダー性能も3つのモードは、充足していないことが確認された。 入手した文書を見ると、12の性能モードの9つの性能は満たすが、小さな標的探知モード(STM・Small Target Mode)、探索救助の録音機(SART・Search and Rescue Transponder Mode)、乱気流モード(TURB・Turbulence Mode)を含めた3つのモードは2016年8月になってようやく充足が可能だと出ている。 これによって2015年4月30日にはメールを通じて、英国AW社に"この3つの追加的なレーダーモード"について26つの質問書を送った。
この三つのモードは、防衛事業庁の海上作戦ヘリ事業提案要請書(Request for Proposal)に出た必須項目である。 時事ジャーナルが入手した防事庁事業提案要請書には、"2.3.5.必須-012. 海上の探索および識別用レーダー1基装着。F1の大きさの標的、F2 NM以上の探知、F3˚元防衛探索機能を有する"と明示されている。 軍に精通した関係者は"Fは、レーダー暗号"と説明した。 彼によると、F1は小さな標的探知モード(STM)で敵の潜望鏡まで探知するレーダー、F2は5カイリ(約9キロ)まで探知可能な探索救助の録音機(SART)、F3は360度探知が可能な乱気流モード(TURB)だ。 彼は"海上ヘリコプターで最も重要なレーダーがF1、すなわち小さな標的探知モード(STM)だが、このレーダー機能がなければ、F2とF3も作れない"、"敵艦を全く探知できない"と指摘した。
必須項目を満たすことができなかったのはレーダーだけではない。 ヘリコプターの対潜水艦作戦の可能時間(滞空時間)も防衛事業庁事業要請書に必須項目で出ている。 時事ジャーナルが入手した事業要請書には'A-1必須項目'欄に"最大滞空時間C1以上(15℃/1000ft.ディッング・ソナー装着基準)"と書かれている。 軍関係者によると、C1は2時間40分を意味する暗号という。 しかし、今まで出た防衛不正調査団の調査結果によると、ワイルドキャットの滞空時間は38分に過ぎない。 作戦に一度いくことも不可能なことだ。 それにもかかわらず、英国AW社側は"最大滞空時間と武装装着能力など作戦要求性能を全て満たした"と主張した。
また、"レーダーやソナーなどを通じて、精密打撃能力を備えることになる"とし、"ワイルドキャットを導入すれば、対潜水艦作戦能力が向上すること"と明らかにした。
1兆4000億ウォンの国民の税金が投入される大型事業で、なぜこのような出来事が起こるようになったのだろうか。
答えは一つだ。 すぐイギリスAW社に対して、実物の評価をせずに決定したためだ。 当時入札、ライバル会社だった米国海軍用MH-60Rは、実体機でシミュレーション評価をしたが、イギリス海軍は当時、ワイルドキャットが戦力化されず、資料だけで評価して作戦遂行能力を満たしたという結論を下したのだ。
現在、韓国政府の立場は、進退両難だ。 本来の計画どおりなら、防衛事業庁と7月27日から現地工場で受諾検査を2週間にわたって開催しなければならない。 しかし、軍の関係者は、"検査する部品自体がないのに現地に行ったところで何の意味があるのか?"、"現地検査が不可能な状況"と明らかにした。
現在、韓国政府の立場は、進退両難だ。 本来の計画どおりなら、防衛事業庁と7月27日から現地工場で受諾検査を2週間にわたって開催しなければならない。 しかし、軍の関係者は、"検査する部品自体がないのに現地に行ったところで何の意味があるのか?"、"現地検査が不可能な状況"と明らかにした。
(翻訳:みそっち)
お金を受け取ってワイルドキャット導入に手心を加えてつかまったのがいたわけですが、なんだかAW社が性能の足りないのをお金を配って売りつけたような論調で書かれています。
ヘリコプター導入事業では最終的には国防予算からヘリコプター代金が支払われるわけです、ところがヘリコプターの性能とは関係のない現役軍人や国防関連の高官が朝鮮や韓国の歴史そのままにお金を受け取っていたわけですよ。足りない性能のものを黙って受け取っておけばそのままお金はどこかに消えるし、足りない性能だって”韓国型国防武器宣伝”で無敵の最新兵器だってことになったはずなのになぜか性能が足りないことを細工する前にバレちゃったのです。
つまり配り方が足りなかったのですね。
ワイルドキャット選定で裏金、7人を起訴白凡金九先生の孫のキムさん(62)元国家報勲処長が海軍の海上作戦ヘリコプターの機種の選定過程で外国の防衛産業会社のロビイストと活動し、金品を受け取った容疑で起訴された。15日、防衛事業不正政府合同捜査団(団長の金基炯)は、海上作戦ヘリ'ワイルドキャット'(AW-159)の導入不正にかかわった金前処長を特定犯罪加重処罰法上斡旋収賄の容疑で拘束起訴したと明らかにした。防衛事業不正政府合同捜査団によると、金前処長は2011∼2014年の海軍の次世代の海上作戦ヘリコプターでワイルドキャットが選ばれるように努める見返りに、当該機種の製作会社であるアグスタウェストランド(AW)から顧問料の名目で14億ウォンをだまし取った疑いを受けている。
金前処長は1990年代初めから10年間、フランス国営の防衛産業会社アエロスパシアル韓国代表、欧州航空防衛宇宙産業(EADS)の首席顧問などとして勤務し、幅広い業界人脈を構築したという。金前処長はその直後、AWと顧問契約をして1ㆍ2次事業で、ワイルドキャットが選ばれるように軍関係者たちを相手にロビーして巨額の顧問料を受けたことが分かった。2013年1月、米国産'シーホーク(MH-60R)'と競合の末にワイルドキャットが1次事業機種に選定されると、22ヵ月顧問料と成功報酬の名目で9億8100万ウォンを受け取り、以降2次事業でも国外の購入に決定されるようにロビーを提案し、成功報酬の追加支給と顧問契約更新を要求した容疑も受けている。AW社が1ㆍ2次事業を合わせて金前処長に約束した顧問料総額は65億ウォンに達することが分かった。金前処長側は"AWと合法的な顧問契約をして韓国の防産市場進出に向けた包括的な拷問の活動をし、ワイルドキャットはその一部に過ぎない"として、容疑を否認している。先立って防衛事業不正政府合同捜査団はワイルドキャットが海軍の作戦要求性能(ROC)をすべて満たしているように試験評価結果書を操作した疑いで海軍朴某(57)少将など7人を拘束起訴した。