気分は大学5年生 就職できずに卒業猶予増える
卒業猶予 休学 それって留年とは違うのだよ
韓国には卒業猶予するメリットがたくさんある
[ミーナ21]雇用悪化の影響で、昨年の2017年だけで1万6000人の大学生が卒業猶予を申請した。昨年と今年は失業者数は最大で、各種の雇用指標の悪化などを勘案すれば、卒業を先送りする学生数はさらに増えるものと予測される。
今年から卒業を先送りする大学生への卒業猶予金の賦課が禁止される。別名「卒業猶予生の授業料を強制徴収禁止法」だ。この法律は、昨年4月の就職難に卒業を先送りする学生の負担を軽減するために発議されて国会を通過した。
卒業猶予金とは大学に籍を残しておくことで発生する費用で、講義を受けなくても発生する費用だ。しかし、まだ多くの大学が名目を変え卒業猶予金のを受けている。「学校施設利用料」とか「就職科目受講」が名目だ。
卒業猶予には本人はもとより政府統計や大学評価にまで良いメリットがある。
まず、本人では学生ローンを引き続き追加で借りることができる。単位を履修して卒業資格があれば追加で借りられないが、新たな単位取得目的のために学生がそのまま居残れば学校側としては区別しない。
卒業後に返済しなければならない学生ローンの返済も先延ばしにすることができる。そのうちに徳政令でもやってくれればチャラになると考えている学生も多い。
卒業猶予生であれば学生食堂や図書館などの学校内の施設はそのまま利用できる。しかも就職浪人ではなく ”新卒” として就職戦線に参加できる点も見逃せない。別の就業ポータルサイトの調査を見ると、卒業の要件を満たしていたが卒業を拒否する学生が半数を超えたという。 在学生の身分が就職に有利だからという理由からだ。
大学側のメリットはこうだ、まず少子化の影響で減るしかない学生数を充たすことができる。また卒業ではないので、就職率を計算するときにも有利に働く。これは政府の財政支援の大学評価を受けるうえでとても重要な理由の一つだ。
政府側に至っては、大学生の数が増えることで、対外的な統計上の大学進学率を世界最高水準で維持することができるし、政府政策批判への矛先となりやすい学生の就職率も卒業生が減り分母が少なくなることで、当面の就職率を維持することができる。
※韓国の大学進学率は高校3年生を100としたものではない
今年の大卒者の10人に1人だけが正社員就職に成功したことが分かった。就職ポータルジョブコリアが国内4年制大学を卒業予定の大学生1112人を対象に「現在の就業の現状と卒業式に出席するかどうか」の調査結果、正規職回答者は11.0%にとどまった。 「インターンなど非正規職で就職した」という回答者は10.0%、「まだ就職できなかった」という回答は79.0%に達した。
いつまでも新卒で居たいから
今年卒業を先送りS大のBさん(25・女)氏は、「卒業生はインターン志願も難しい。先輩たちも就職するまで卒業を先送りが有利であると助言する」とし「雇用市場が良くなる兆しがないと思うが卒業猶予はない2年以上の長期休学する先輩・後輩も多くなる傾向にある」と述べた。
S大卒業猶予生C(25)氏は、「就職もできず、不安で卒業猶予で今まで降りて負担になる」とし「政府が今年から卒業猶予の金を廃止するとしたが、私たちの大学は名目を変えて別の形で猶予金を要求する。学生を相手に最後まで金儲けする姿に不快だ」と吐露した。
ソウル所在H大に在学中のA(経営学科・27)氏は、今月卒業予定者だったが、昨年下半期の公開採用で相次いで落選して”泣く泣く”卒業を延期した。
Aさんは、「希望の企業に就職をできず、卒業を猶予した」とし「雇用者の立場から見ると、志願者の就職準備期間が長ければ能力がないか、魅力がない人、就職に失敗した人に認識するかと思ってほとんどが卒業猶予を選択するしかない」と述べた。
(ソウル/みそっち)
現在の状況がイイんですよ。うっかり就職しちゃうと学生ローンの返済が始まっちゃうでしょ。大学としては学生数が減っちゃうと政府支援金が減るし、学生数が減れば統計上の世界最高水準な大学進学率が下がるしかないようなことになるのです。
困難な状況になると、それを解決するのではなく先送りするのが韓国流なんです。