アウディの在庫車両 一部割引販売

（ソウル/みそっち）

そうですか、よかったですね。

ええとね、韓国ではクルマの値引き交渉って無いんですよ。意外かと思うかもしれませんが、韓国にまだトヨタコロナしか無かった頃だとカタログ価格に数倍のプレミアが付いても欲しいっていうのがいたわけです。

胴巻にウォン詰め込んで並んだりしたのかな。

そのうちに国産車も出てきてどうにか買える人が増えてくると今度は、台数が足りないとかでプレミアが付いたりしたのです。

やがてソウルオリンピック(1988)を機に韓国に自家用車ブームがようやく始まると海外の自動車会社が外人社長で輸入販売に乗り出すわけですが、どうにも「韓国では自動車の売り方が違うようだ」と気づいたりしたんですね。そんな売り方に慣れることが出来なかった外人社長は心を病んで帰国していたりしました。

「お前に売ってやる」「お前のためにここまで運んでやる」「お前のクルマの部品まで準備しておいてやる」式な自動車販売網が出来上がっていたんだそうです。

ドイツではベンツを買いに行く時にはカタログを取り寄せ、いくつもの自動車雑誌で何年もかけて比較して、ようやく決心がつくとベンツの工場まで買いたい人が出かけて行って工場でも入念にクルマを確かめて自分で運転して帰ってくる。なんてハナシがあって徳大寺さんあたりが紹介してたかと思いますが。そういうドイツ式と、自動車セールスマンが言葉巧みに揉み手で売るようなアメリカ式とか、ニホンでは日産の課長だけどホンダの軽トラも売るよとか、北海道のディーラーなんだけど九州の顧客まで納車するんだ。なんていう怪人がいたりするわけで、各国でいろいろな売り方があったりします。

販売時の約束を守れないから”今月の割引”っていうのが毎月出ているんです。売る方もおまけしてくれなんていうのは相手にしません。

それでも嘘をついて売るのがいるそうです「3年乗っても同じ価格で引き取るよ」なんてね。そこで客も信用しなくなったので制度がつくられたみたいです。