新築したばかりの6階建てアパート、トイレの天井がガラガラ
天井構造物に敷かれてけがをした40代軍人奇跡的に2時間後に救助
その名も軍人アパートといえば家族持ち副士官が格安で住める別天地なのに
[国防ミーナ]江原道鉄原(カンウォンド・チョルウォン)の、ある軍人向けアパートの5階で化粧室の天井構造物が突然'がらがらと'崩れて40代軍人が閉じ込められたが、2時間後に救助された事故が起きた。
事故が起きたのは、17日午前1時ころ。
鉄原郡西面ジャドゥン里のあるマンション5階に住むA(41)さんはトイレで小便を見る途中、急に天井が崩れ落ちた。
▲現地は軍人向けのアパートが何棟も建ち並んでいるところ、奥のは1990年築
この事故で天井構造物など敷かれて頭と足をけがしてA氏は身を動くことができなかった。これだけでなく、崩れた天井構造物が出入り口を塞いでAさんはトイレに閉じ込められ、電気すら遮断された。職業軍人のA氏の妻と子供達は、実家に帰って家にはA氏だけがいた。
やっと正気に返ったA氏は割れた便器の切れ端などで壁を打って力を尽くして'살려달라 助けてくれ'と叫んだ。
事故から40分ほど経った午前1時47分に階下に住むB氏が夢うつつにこの音を聞いて112番の状況室に届けた。 ※韓国では110番通報は112番となっています
当時、B氏は"何階なのか正確ではないが壁を叩き'助けてくれ'という声を聞いた"と伝えた。
通報を受けて出動した鉄原金華交番のグォン・ソクヨル警衛らは音がしたアパートの玄関のドアで20分間呼び鈴を押したが、何の気配もなかった。
アパート隣の住民は酒に酔った住民が出した声と見なされていた。
しかし、該当マンションに住む人が軍人ということを確認したグォン警衛は、直感的に事故が発生したものと判断して119救助隊と軍部隊などに協力を要請した。
119救助隊は6階からロープをつたって進入を試みたが、窓が閉まっており、入れなかった。
結局、玄関のドアをこじあけて入った119救助隊などは、A氏が天井構造物に敷かれて呻(うめ)いていることを発見、周辺の病院に移した。
グォン警衛は、"酒に酔った人と思ってそのまま戻っていたら怪我をした人が、より大きな危険に置かれることができた"、"迅速に救助され、せめてもの幸い"と明らかにした。
天井構造物が倒壊したマンションは昨年5月に入居した新規マンションとして知られた。
(翻訳:みそっち)
う~~ん 鉄原郡といえばすぐ向こう側がキタ朝鮮という環境です、今回の軍人アパートの場所は戦前にはキタ朝鮮とつなぐ道路が通っていたところといった感じですね。
人口密度からすると、すぐそこから先には民間人統制線があるので出入り禁止となっていて国境まで20kmくらいのところですよ、現場のアパートから最寄りのコンビニまでは徒歩で10分くらいかな。
▲鉄原郡西面のメインストリート、秘境駅よりに賑やかそうです
▲向こうの方に軍人アパートが見えます あの斜面がスキー場の感じ
▲単身者向けのお部屋も充実しています
韓国の職業軍人の暮らしぶりをちょっと見てみる
[ミリタリーミーナ]韓国の兵隊というと月給15万ウォンの最低生活ばかりが話題になりますが、副士官という下士官や将校なんかは割とふつうの給料を貰っているようです。
パンツから靴下まで支給される徴兵の兵隊とちがって、職業軍人はキチンとしたお給料を貰っているので部隊で食べるご飯もその都度お金を払って食べることになります。あまり知られていませんが、軍服もよそ行きのイイのは支給品ではなく自前で買うんですね。 ※迷彩柄の戦闘服は支給される。
今回のトイレ崩落事故のあったところには軍人向けのアパートが8つぐらい建っていますよ、古いのから新築まであってその中から単身者向けの部屋をちょっと見てみましょう。
家族持ちでも最前線の部隊となると弾が飛んでくるのが心配なのか、家族を後方に残して単身赴任する人もいます、また聖人と称して縁のないひとのような、独り者が住むのが単身者向け宿舎ということになっていて、広さは外観から想像する程度となっています。
▲部屋の奥行は下の写真の壁側の窓が中廊下ですから、向こう側に窓のある部屋もあるというコンパクトな作りになっているみたいです。
▲窓一つにつきひと部屋で壁側の窓は中廊下、手前側部分だけで9部屋×2面
こちらは北向きの部屋です
▲全体の雰囲気、この建物はL型をしていて角の部分が共用スペースの食堂娯楽室となっているらしい。部屋の数は{(22×3)+13-2}×2 (向こう側にある階段はひと部屋分で3階まで、あっち側にも階段があるので6を引くかもしれない)
こういうところでは寮みたいなものですから食堂があって、ご飯が提供されるのですが、そこはそれ、職業軍人の食事までは誰も気にしたことがないのでどんなものを食べているのかは秘密のベールに包まれています。
この軍人アパートにはかなりの人数が住んでいますが、部隊の駐屯地は24時間営業なので休みも交代しながらです。軍人の出勤時間は一般的な会社員のような勤務シフトとはちがって、夜勤のあるナースのようなスケジュールになっています。そのため全員が出払うことはなく、夜勤のひとは昼でも暗くして寝ていたりするみたいです。
朝の出勤時間にまとめて乗せていくマイクロバスや軍用トラックがあるわけではありません。各自が自家用車や電車バスを乗り継いで部隊に通うのです。
このほかにも、自宅を買ったり借りたりして住んでいる人もいるでしょう。そういう職業軍人は自宅から通勤するわけですね。もちろん家族もいたりするのでふつうの暮らしをしているってことです。食べるご飯は職場で食べるし夜勤もあったりするので文字通り家には寝に帰るだけみたいなものかもしれません。そんな軍人が家族と一緒に国境近くにたくさん住んでいるのです。
※部屋の中の様子はわかんないし