韓国の無償給食利用者はホームレスばかりじゃない
教会や寺院などの宗教団体などが主催し、食材は無償提供品
お年寄りの一食を無償提供するという大英断
[ソウルミーナ]世界最高の老人貧困率(キタ朝鮮よりも貧しい)という韓国、
そんな韓国では貧しいお年寄りのために無償給食を提供しているところがたくさんあります。
すっかりお馴染みの光景となった無償給食のようすををちょっとだけご覧ください。
▲無償給食の食堂に並ぶのは自宅から通ってくるお年寄りもいる
欠食老人対策で始められた無償給食には今日も大勢の老人が並んでいます、専用の食堂があるのはタプコル公園(バッカスおばさんで有名)のお寺だったり、大きな教会や各種の支援団体が日替わりで無償給食を提供しているのです。
また年末になると救世軍が無償給食をはじめます。
高齢者を大切にする韓国文化
三度の食事を提供するのではなく、収入の乏しいお年寄りたちの生活の負担を減らすという次元で始められた無償給食は、ホームレス対策の無償給食とどこが違うのでしょうか?
実は対象は全く同じだったのです。単に地下道や駐車場で寝泊まりしているホームレスと自宅から通ってくる韓国のお年寄りですが、どちらも同じ行列に並んでいます。
この両者の違いは帰るところが有るか無いかということですが、両者には共通点があります。それはどちらも身寄りがないことと言っていいでしょう。息子家族などと暮らしているお年寄りはバッカス公園で高齢売春おばさんを冷やかしたり、日長一日日向ぼっこに縁台将棋をしているという光景を見ることができますが、息子夫婦などに見捨てられた単身独居の高齢者、これがソウル市内だけで200万人を超えています。
高齢者を大切にしないという現実に一日一回の無償給食の提供というお年寄りのための対策は韓国社会の現実をそのまま浮き彫りにさせているようです
▲朝から並んで手に入れたチケットで給食の列に並びます
2回並ぶということも可能ですが、対策はありません。
ところで、韓国で無償給食というと、もうひとつに”学校給食の無償化”というのがありました。給食費を払いたくないという気持ちだけで無償給食の是非が問われたわけですが、現在では無償給食推進派が圧倒的に優勢です。
学校給食の費用は教育庁から分配される学校の予算から支出されます。本来なら学校設備の修繕などに当てられるハズの予算が給食費に消えていくということで学校設備の老朽化などの対策も未解決のまま先送りされているのが現実です。
大体午前10時から始まる無償給食
無償給食は原則的に一日1回だけですから、これだけじゃ足りないかもしれません。しかし一日三度の給食を提供するということはなかなか実行できるものでもありませんよね。
このような無償給食の会場をハシゴするという足腰をそなえたお年寄りも大勢います。彼らの間では”無償給食情報”が密かに取引され、65歳以上無料パスをつかって地下鉄無料というメリットを最大限に生かした”ソウル移動族”とよばれる徒党を組み、一日に200㎞以上を移動しながら移動中の地下鉄のシートで仮眠する姿を見ることができます。
ホームレス向けの古着や履物の配布状況から分野別、地域別の無償給食情報などをお互いに情報交換することで韓国の老人文化をエンジョイしているのです。
▲十分に用意された炊き出しも足りなくなるとそれで配布は終了
場所によっては週に3回だったり土日だけ提供するなどの配分で
およそ一週間のあいだに毎日の栄養補給が可能となっています。
▲朴正煕の生み出した韓国文化である食盆はこんなに役立っているのです
▲こうした”給食のおばさん”はボランティアで無償出演してます
この日のメニューは、ごはん・キムチ・汁・その他(その他って何だ)
▲スプーンで食べる習慣もこういう時には便利ですよね
こちらの無償給食には身分証などの提示は必要ありません、時間に並ぶだけで気軽に韓国気分を味わうことが可能ですよ。ですから、年齢性別などで無償給食が受けられないということはありません。ソウル旅行のついでに無償給食に並んでみる体験もイイかもしれませんね。